飛躍

7月9日、北風祭。コロナ禍で2019年度以来の3年ぶりの上井草開催とあって、多くの部員にとって初めてのファン、地域との交流イベント、3年生の村田陣悟選手は多くの人の来場に驚いたと話します。

「こんなに来ないと思っていました。いろんなファンの人たちと話せて『1年生の頃から見ているよ』とかすごい言われて…愛されているチームだなと思いました。」

ラグビー体験コーナーのラインアウトではリフト役となり、そしてスクラムでは後ろから押し込んで、多くの子供たちと触れ合います。

「オンラインとは違う雰囲気でみんな一体となって楽しめたかなと思います。子供達とかめちゃくちゃ喜んでくれたのがすごく嬉しくて、この子たちがワセダに来てラグビーをしてくれたら嬉しいなと思います。」

この春は大田尾竜彦監督からの勧めもあって、昨年度のLOからバックローにポジションを移して全6試合に出場、ポジション変更について前向きに捉えます。

「セットプレーのところ、ラインアウトで考える事がなくなり、キックオフもキャッチしなくなったので、仕事が減ったと思います。自分の強みであるフィールドプレーでやるべき事が明確になっているので、そこを突き詰めてもっといい選手になりたいと思います。」

ルーキーイヤーからアカクロに袖を通してきた村田選手も今季が3年目、上級生となったシーズンに決意を新たにします。

「1年生でも粟飯原とか中島だったりいい選手が出てきています。上級生として、もっと上(のレベル)にいって、尊敬される選手になってやろうというのがあります。あとは、ひとつひとつの課題に対して、1年生の時は『もうこれくらいでいいだろう』と放っておく部分があったのですけど、一つ一つ細かいところから修正していって、自分でノートに書いたりしていろいろ考えたりしています。」

1年生時から練習などで課題が出た時に書き続けているラグビーノート。その習慣を「課題だらけでその時は一回ノートを書くのを止めた」と振り返るのが6月の帝京戦。

「(あの試合は)技術的な面ではなくてメンタル的なところ。それをチームで話してから、チームの雰囲気も変わっていきました。チームもそうなんですけど、個人個人が主張していくチームになっていかないと。僕自身も性格的にそんなに勝ち気ではないのですが、まだまだいける…『オレがオレが』という気持ちでやっていきたいと思います。」

プレーの細部への拘り、FWの中心選手そして上級生としての意識を持ちながらも、バックローへの復帰で描くプレーヤー像を話します。

「1年生の頃から経験を積んできました。2年生ではLOとして、プレーの精度だったり細部に拘ってきました。初心に戻るじゃないですけど、1年生の時のような飛躍を3年生で取り戻す。自分らしく伸び伸びとフィールドプレーでハードワークして、ボールキャリー、タックルをし続けるところが今年のテーマですね。」

セットプレーの縛りから解き放たれ、再びフィールドでダイナミックなプレーを。原点回帰を思い描く背番号6、その大きな背中に注目です。【鳥越裕貴】


北風祭で子供たちとの交流を楽しむ村田陣悟選手。春シーズンを通して「自分的にはまだまだやれるなという印象があります。ボールキャリーやタックルで自分が体を張らないといけないですし、出た課題を修正して対抗戦、大学選手権に生かしていきたいなと思います。」

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