一歩

7月23日、DEチームの練習試合・東大戦(東大・駒場グラウンド)。高校時代の怪我からの復帰、大学デビュー戦で前半の40分間プレーしたのが1年生・FB福島秀法選手。実質、高校(修猷館)2年生の冬以来の試合出場、正直な感想を口にします。

「高校3年生の時の花園予選は5分間くらい、殆ど出ていなかったので40分間やったのは久しぶりで疲れました…。」

自陣でボールを持ったファーストプレーから「どんどん攻めて評価してもらおう」といきなりのゲイン、その後もコンタクトシーンで一歩、二歩前へと出て推進力を見せ付けます。ハイライトは前半23分、左サイドでタックルを受けるも強靭な足腰で振りほどいて独走、同点トライを記録します。

「”がむしゃらさ”の出るプレーが得意なので、これからもああいうプレーをしていきたいと思います。トライ出来て気持ちよかったです。」

ボールを持てば簡単には倒れずに前進。そうしたプレーが評価されて大田尾竜彦監督が選ぶPick Up Playerにも選出されますが課題も明確に感じ取ります。

「もっと上のレベルでもこういったプレーを出さないといけないので頑張りたいと思います。久しぶりのラグビーで出来たところと、出来なかったところがあって、特にフィットネスの部分は全然足らなかったので、そこを今からつけていこうと思います。」

上井草寮では同郷・福岡の平田楓太選手と同部屋。兄・孝明さん(修猷館→現大分大医学部ラグビー部)と平田選手が国体メンバーとして交流した縁もあって話が弾み「最高に優しいお兄ちゃんみたいな存在」と笑顔を見せます。私生活面では平田選手を慕いながら、ラグビーのプレーのお手本としているのは吉村紘副将。平田選手との繋がりで部屋に遊びに来る機会が多いという吉村選手に4月の終わりに弟子入りを志願します。

「紘さんの練習相手にしてくださいと言いました。紘さんはパスとかが上手なので、時間のある時に教えて頂いています。パスのスピード、正確さを出すために色んな事を教えてもらっていて、まだ全然出来ていないのですけど知識として教えてもらっている事を身に染みつけられるように取り組んでいます。」

上井草グラウンドでは居残りで2人で練習する光景も…将来のエース候補を公私にわたって惜しみなく4年生がサポートします。そんな上級生と大学レベルで渡り合うための課題もしっかりと見据えます。

「小手先の技術じゃなくて戦える体とフィットネスをつけていかないといけないと思いました。今日の試合も前だったらトライに行けそうなところを捕まったりしたのでパワーが足りないなと…。筋力トレーニングにも取り組んで、早くMAXの状態に戻してメンバー入りしたいと思います。」

春シーズンは新人早明、新人早慶に連勝するなど活躍した同級生の姿を見て「仲間が勝って嬉しいという気持ちもあったのですけど、自分が出られなくて悔しい気持ちもありました。」と話す福島選手。先行する同期の背中を追いかけて、期待の大型BKが確かな一歩を踏み出しました。【鳥越裕貴】


前半23分、タックルを振り切って一気の加速、デビュー戦初トライをあげるFB福島秀法選手。

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