冷静

9月10日、対抗戦開幕戦・青山学院大戦。ルーキーアカクロスタメン一番乗りをFL粟飯原謙選手とともに果たしたのがCTB野中健吾選手。

「緊張は少しあって、開幕戦ということでプレッシャーも少し感じていたのですけど、ファーストプレーでコンタクトした時にほぐれました。試合をしていくうちに慣れていって思い切ってプレーできました。持ち味であるスペースに対してアタックするということをできたかなと思いますし、仲間を生かすプレーを80分間通してできたかなと思います。」

前半16分にはCTB松下怜央選手のトライをアシスト、後半17分にはデビュー戦で初トライをあげるなど活躍、試合後に関東協会により選出されるプレーヤー・オブ・ザ・マッチにも選出、マイクを渡されて観客にスピーチする場面も。

「選ばれるとは思ってなくて、ビックリしました。初めての試合でもらえて正直嬉しかったですね。(スピーチも)ビックリしました。目標であり、ブレないところの自分の気持ちを伝えたという感じです。あの場で出来る最大限です(笑)。」

試合後の記者会見、大田尾竜彦監督が野中選手について問われるとある場面を切り出してその良さを解説します。

「例えば松下が前半トライしたシーン。あの場面、(SOの)守屋大誠(の立ち位置)が浅かったのですが、野中も浅かったら捕まっています。ただ、野中はあそこでタメを作れる。彼の一番の特徴は状況把握とラインコントロール。ラインに入った時にどこにボールをまわしていけば、一番良いかを分かりながらそれに相応しいラインコントロールをしている。それを今日も発揮してくれたかなと。」

そのコメントを野中選手にぶつけると、照れくさそうに振り返ります。

「(ディフェンスが)出てくるというのを感じたので、松下さんとコミュニケーションを取った結果、トライに繋がった。相手の状況を見ながら自分はタメながら放ろうというのを意識していました。」

初戦からルーキーらしからぬ落ち着きを発揮、初アカクロもそこが目標ではないと言い切ります。

「着る事が目標ではなくて、着てチームに対して貢献するまでが目標です。勿論(まずは)着るという事を意識して毎日過ごしていたので今日でスタートライン、そこでプラスチームの勝利に貢献したいと思っています。自分としては80分間通して、同じようなプレーをし続ける、疲れても落ちないスキルを強みとしてやっていきたいと思います。試合中も落ち着いて出来たらよいと思っているので、常に冷静に…というところも意識しています。」

デビュー戦で感じた課題についても、フォア・ザ・チームの意識高く。

「チームが苦しい場面でチームを前に出すというところ。チームに対してのコミュニケーション、声掛けがまだまだ足りないかなと。SOとコミュニケーションを取りながらチームを前に出すというところを次からはもうちょっと心がけていきたいです。」

次戦は序盤のヤマ場・筑波大戦。「相手の強みを消しつつ、自分たちの強みを前面に出していきたいです。ディフェンスでも相手を返すようなプレーが出来たらよいと思います」。どこまでも冷静沈着なルーキーが次戦もBKラインをコントロールします。【鳥越裕貴】



同期のアカクロデビュー組で。中央が野中健吾選手。「ジャージをもらったときにワセダの代表であることを再認識して、ワセダのプライドをもう一度感じることが出来ました。」

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