一体

9月25日、ジュニア選手権・東海大戦。前半を21-5とリード、後半は一時7点差まで詰め寄られるものの20分過ぎから途中出場組のSH小西泰聖選手、CTB久富連太郎選手のトライで突き放し、終了間際にラインアウトモールを押し込んでダメ押しトライ、最終スコアは47-24で快勝します。

「東海戦は春もやって、去年もやって…下のチームが勝つというのはなかなかない事でした。セットプレーの部分で劣勢になって行かれてしまうのが例年のパターン。東海はセットプレーを大事にするチーム、モールでもトライを取ったり、スクラムでもペナルティを取ったり、セットプレーの強化が大きいですし、チームの文化として根付きつつあると感じました。」(相良昌彦主将)

安定のセットプレーに加えて、ゲームテーマであった『コリジョン』…コンタクトの局面でも「引かずに80分戦い続けられたのは凄く良かった」(WTB今駒有喜選手)と胸を張ります。

「コンタクトのところが凄く良かったかなと。FWとして一切負けている部分がなかったと思います。一人ひとり気持ちが出ていて、特に1年の田中などはラインアウトの一次から迫力あるプレーをしていました。ああいうプレーを一次からやってくれることで勢いづきますし、自信になる。ほかのプレーヤーもああいうプレーをしてくれることによってやりやすかったと思います。」(相良昌彦主将)

名前をあげられた1年生・FL田中勇成選手も試合毎に自信を掴みつつあると話します。

「練習からどういう風に一次でゲインを切るかを考えています。ボールキャリーはファーストタックラーをどう外すかを意識して今週は取り組んできたので成果が出たかなと思います。メイジのBチームや、夏合宿でも帝京のBチームと試合をさせてもらって、大学でもやっていけるなという手応えと自信を持っています。」

ジュニア選手権はこれで明治、東海と強豪相手に連勝スタート、Bチームのメンバーが好調の要因として口を揃えるのがチームの一体感。

「チームとして一つになってまとまって、個人個人じゃなくて、チームとして勝ちに行くというのが芽生えてきて、要求しあえている部分が試合に繋がっていると思います。」(FL田中勇成選手)

「チームの方向性が一つになっているなと感じていて、何をフォーカスしてプレーするのか、全員が同じベクトルを向いていると思います。そういったプレーが出来た結果、トライを取る、トライを防ぐという事につながっているのかなと思います。去年のBチームは9〜10月がよくなくて、(11月に)帝京、東海と勝った時は良くなりましたがそれに近いような雰囲気です。組織としてレベルが去年と比べて上がっているなと感じています。」(WTB今駒有喜選手)

そのBチームに続いて、この日は続けて行われたCチームマッチでも、ラストプレーの後半45分に自陣で得たペナルティから全員で繋ぎ切ってCTB金子礼人選手が劇的な逆転サヨナラトライ、全員応援で敵地に駆け付けた部員席は大盛り上がり、チームに更なる勢いを与えます。

「(試合展開としては)Cチームはまだまだ。でも、最後まであきらめない気持ちとか最後、抜け出した時にみんなサポートをよくしていました。そういう意識が今年やろうとしている部分に対して、コミットし始めている。下のチームが勝ってくれると上のチームのモチベーションもあがります。チームとしていい雰囲気を作ってくれるので、下のチームに助けられています。」(相良昌彦主将)

「Cチームは相手に走り勝つ場面が多くて、ワセダの強みを出していました。最後まで走り切って相手に勝つという結果が出て、凄い良かったかなと思います。」(今駒有喜選手)

下のチームの活気が部内競争を活性化、互いに刺激を与えあっている部内の雰囲気について、Aチーム、Bチームそれぞれのプレーヤーの立場で話します。

「下のチームと練習でアタック&ディフェンスとかをするので、下のチームが強くなってくれると練習も簡単に抜けたり、簡単にディフェンスが出来たりとかそういうわけじゃなくなってくる。自分たちの実力をあげてくれますし、練習が簡単じゃなくなる。そこで競争が生まれて下も上も更にアカクロへの気持ちが強くなるのだと思います。」(相良昌彦主将)

「1年からシニアで出来ていて、Aチームの(佐藤)健次さんとか強い人たちと間近でコンタクトできるというのは刺激を受けていますし、強い相手にこの小さな体でどう対抗するかを日々考えながらやっています。ずっとBチームで一緒にやってきた(栗田)文介がAチームで出たことも刺激になっています。」(田中勇成選手)

そして4年生が少ないBチームで練習中からリーダーシップを発揮する今駒有喜選手は『荒ぶる』ために、Bチームの底上げが欠かせないと言葉に力を込めます。

「Bチームが一番強くないと、日本一を取れないのかなと感じています。Aチームだけが強くてもなかなか組織全体の力が上がっていかないと、4年間で感じていて、そこで日々の練習で戦うマインドだったりを意識してAチームに臨んでいます。そういったところが成長に繋がっているのかなと思います。」

日々の練習でバチバチに体をぶつけ合いながら、試合ではBチームの勝利を全員で喜び、Cチームの勝利を再び全員で喜ぶ…チームの底上げが進み、生まれる一体感、チーム相良は全員で『荒ぶる』を獲りに行きます。【鳥越裕貴】


敵地・東海大グラウンドで全員応援。Cチームのラストプレーでの逆転サヨナラトライに総立ちとなる部員席。

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