自信

12月4日、早明戦。記者会見でその特別な舞台を「僕以外の早明の選手もそうだと思うのですけど、ワセダ、メイジを志す一つの理由が国立の早明戦」と吉村紘選手が話すと、横に座る大田尾竜彦監督も大きく頷きます。初めてその舞台に立った3年生LO池本大喜選手もそういった思いを持って入部した一人、入場時に見えた国立の光景に特別な感情が沸いたと振り返ります。

「昔から見ていた夢の舞台。最初実感が湧いてなかったのですけど、入場でお客さんがたくさん入っているのを見たり、校歌を歌った時に気持ちが入りました。」

「何でも正しく、アドバイスをくれたりして優しい人」という早大ラグビーOBの父・信正さんの影響もあって、幼少期からワセダラグビーに憧れを持っていたと話し、観戦した中でも印象に残っていると話すのが「国立が無くなる最後の早明戦」。その2013年度の満員の国立以来、9年ぶりの国立開催に自らが初出場という繋がりに

「自分でも運があるかなと思っています。」

とはにかみます。3年生で初めて経験した早明戦での課題と収穫、それぞれを口にします。

「入りの部分でディフェンスで受けてしまいました。ディフェンスの部分で横と繋がれてなかったりしたところがあったのが課題です。良かったところはボールキャリーで前に出られたところ、キックオフでプレッシャーをかけられたところですね。」

今シーズンの対抗戦は初戦の青山学院大戦でアカクロデビューを果たすと全7試合に背番号5で出場、LOのポジションを手中にします。試合を経る毎にボールに絡む機会も増えており、気持ちの部分が大きいと話します。

「最初は遠慮じゃないですけど、自分からガツガツ行くことが出来なかったのですけど、そこは徐々に慣れというか自分からボールをもらいにいくことができるようになったと思います。今シーズンは春以降ずっと5番で出続けられているのでそこの自信みたいなところは出てきたのかなと思います。」

下級生時代からプレーで伸びた部分として「今日は微妙だったのですけど、ディフェンスで前に出てタックルをするところ」をあげ、ケガの影響でチームを裏方で支える鏡鈴之介副将の存在について話します。

「タックルの部分では鈴さん(鏡副将)のアドバイスが大きいかなと。詰め方だったり、相手のステップに対する自分の体の動かし方だったりを教えてもらっています。自分だったらケガしたら腐ってしまうところ、鈴さんはずっと自分にもアドバイスし続けてくれています。自分が出られないと分かっていても、チームの為にずっとアドバイスをくれて、有難い存在です。」

その鏡副将ら4年生と過ごす時間も大学選手権を残すのみ。11日から始まる日本一を目指す戦いを前に言葉に力を込めます。

「ここからは負けたら4年生が引退、鏡さんが出られない代わりに自分が出ていると思っているので負けるわけにはいかないです。」

タフな早明戦もフル出場、フィットネスにも自信をつけてきた池本大喜選手。大学選手権もチームの為、先輩の為、静かに闘志を燃やします。



池本大喜選手。大学選手権を前に「ディフェンスで前に出るところ、ラインアウト、キックオフ、スクラムで貢献していきたいと思います。」

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