献身

2月5日、相良組追い出し試合。アカクロジャージを着て、高校時代以来のラグビーを同期の仲間とともに楽しんだのが川下凜太郎主務。レフリーとして入部、3年生からは副務としてチームを裏方から支えた4年間を振り返ります。

「充実していました。150人の部員が居て、ラグビー(推薦)で入ってきた人も、2年間浪人…中には3年間遅れて入ってくるような人たちもいる。難しい事もありましたけど、全員でカバーしながらやってこれました。一瞬一瞬が代えがたい経験でした。」

伝統ある早大ラグビー部のリーダーの一人として芽生えた責任感から日々考え続けることが習慣に。

「これをしたらどうなる?…これをしなかったらどうなる?…と。もともとはポジティブな人間ではあるのですけど、悪い結果とかを考えながら、主務としてやってきた中で個人として成長できたのかなと思います。」

コロナ禍で過ごした過去2年間から少し世の中が変わり始める中で、逆に過去2年のやり方が通じない事も。夏合宿前そして夏合宿中が苦しかった時期と振り返ります。

「いろいろな準備のところで100%出来たかというとそういう訳じゃなくて、選手にも申し訳なかったですし、もっとこうすればよかったな…と自分の中でも思っていました。そんな中で、後輩の副務2人とか同期のスタッフの皆が支えてくれて乗り越えられました。」

そしてシーズンが深まっていく中で、更に大きな力に支えられて部の運営が行われているという事を実感します。

「本当に多くの人々が支えてくれているのだと…その人たちの為に頑張れました。組織の為に何かをするという思いを1、2年生の時にも勿論持っていたのですけど、それは思っていただけで、今と比べると小さな思い、何も実行できていなかったです。目の前のものだけじゃなくて周りにある色んな事をやってくださる方々がいて、自分たちが今、満足に出来ているということを実感しました。それに対する感謝の気持ちを自分の業務を通じて伝えるという事を考えられるようになりました。」

シーズン終盤で忘れられないのは4年早明戦、そして翌週の大学選手権準々決勝・早明再戦。

「あの週はチームの雰囲気が良くて…。下のチームで頑張り続けた4年生が最後(4年早明戦で)全てを出してくれて、それにAチームが応えてくれた。普段見ることないくらい熱いみんなの姿を見ていて、自分自身も心の底から試合に勝って良かったと思えました。初めての経験で自分の中で一番充実した瞬間だったなと思います。」

今季のハイライトシーンとも言えるこの12月中旬〜下旬の出来事より先に、良かった思い出として口にしたのは”北風祭”。

「(過去2年出来なかった)上井草で開催して…。裏方の裏方で、自分の写真とか映像に残る事は一切ないのですけど、その分部員みんなが笑顔でファンの皆さんと接している姿を見て、そういうものが形に残ったのは嬉しかったなと。」

大学キャンパスで行われた予餞会。コーチングスタッフ、総務スタッフ、同期、後輩に一通り感謝の気持ちを伝えた後、結びの言葉として口にした言葉は「これからもラグビー蹴球部をサポートしていきたい」。チームを影で支え続けた川下凜太郎主務、最後の最後までその姿勢がぶれることはありませんでした。【鳥越裕貴】



追い出し試合後、相良昌彦主将と写真に収まる川下凜太郎主務。「自分の力は微々たるものだったと思うのですけど、監督はじめスタッフや、同期のみんなと最後まで…悔しさもありましたけど、最後までやりきって終えることが出来たのでそういう意味では心残りがないです。」

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