初陣

6月3日、敵地日吉で行われた新人早慶戦。25分ハーフの変則マッチは試合途中での修正力を見せて40-15で快勝、ゲームキャプテンを務めたCTB森田倫太朗選手が振り返ります。

「(大学に入って)アウェイで試合をするのが初めての人も多くてちょっと飲まれている感じもありました。試合の入りでは相手のブレイクダウンの速さに慣れなくて対応が遅れてしまいました。課題はブレイクダウンのところだけだったのでそこを修正すれば絶対前に出れると言い続けていましたし、修正できたので良かったと思います。」

早慶明伝統の新人戦。コーチ陣や先輩から『一生に一度の試合』の意義を叩き込まれます。

「この先、年月経ってもこの試合の事はずっと覚えているし、話になる…4年生になった時の早慶戦でも、新人早慶戦の結果の話があると聞いていました。改めてこの試合は大事にしないといけないと思いましたし、特別な思いで挑みました。」

ゲームテーマは『責任』。ワセダらしさの体現、スキル以前の気持ち、そして規律に拘りを持ったという一戦はリードを広げても攻めの姿勢を貫き続きます。

「SOの大賀を中心にいろんな戦術面、規律、チームとして何をすべきかというのはこの1週間の間で話していて、すごくゲームではうまくいったかなと思います。アタックは難しい事はせずにシンプルにタテ、タテでやっていこうと言っていて、FWがゲインを切ってくれたので、そこの後のアタックがBKもやりやすかったです。試合の中でどれだけ点を取っていてもゼロゼロの意識で、受けに回ったら負けると思っていたので最後まで攻め続けると言っていました。」

前半15分にはWTB鈴木寛大選手の自陣での切り返しから一気に繋ぎ切って自らトライをあげる場面も。

「(鈴木)寛大は中学から知っていたのであいつなら来るかなと、信頼している部分もありました。BKは走れる能力がある人が多いので内側からサポートについていれば、もらえるチャンスはあるのはわかっていたので狙い通りでした。」

スクール選抜で同じチームになった事があるという鈴木選手のような旧知の間柄もいれば、大学で初めてチームメイトになるメンバーも。入学から2カ月、徐々に結束力が芽生えつつあると話します。

「新人練習を乗り越えたというのが大きいです。普段はみんな個性があって面白い人も多いですけど、練習とか試合になると、みんなラグビーが好きなんだなと感じます。」

昨年度花園準優勝、報徳学園出身の森田選手は同級生の主力の多くがライバル明治に進学。その中でも海老澤琥珀選手は一足早く、春早明戦にAチームで出場を果たすなど活躍を見せます。

「あらためて凄いなという気持ちとともに負けたくないなという気持ちもあります。試合で直接的に対決する機会があると思うので、そこでは負けたくないなと思います。今は悔しさの方が強いですね。」

自チームは勿論、ライバルチームの同級生とも切磋琢磨しながら、まずは一つでも上のチームへ…と足元を見つめ直します。

「ゲームの中でのフィットネス、周りとのコミュニケーションを取りながらディフェンスするというのが上のチームにあがるにつれて大事になってくると思うので、そこを日々の練習から意識して試合でアピールしてどんどん上のチームにあがっていきたいと思います。」

初めての早慶戦に勝利を収めた1年生、3年後の11月23日、アカクロジャージに袖を通すことを夢見て走り続けます。【鳥越裕貴】


前半15分、トライをあげるCTB森田倫太朗選手。この日はゲームキャプテン。「自分がタックルや前に出るプレーでチームを引っ張っていけたらと思っていました。」

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