還元

2年目を迎えた春シーズン、ワセダからU20日本代表へと活躍の場を広げたのが栗田文介選手と野中健吾選手。南アフリカで開催される「ワールドラグビーU20チャンピオンシップ」遠征を前に笑顔を見せていたのは栗田文介選手。愛知・千種高校時代は地方予選初戦敗退、全国レベルとは縁遠く。ワセダにも一般入試で合格を果たした公立の星は代表への思いを話します。

「桜のジャージなんて夢にも思ってなかった。それを着るチャンス、しっかり掴みたいですね。」

ルーキーイヤーの大活躍、そして代表候補合宿でのアピールが認められてのU20日本代表入り、言葉に力を込めます。

「昨年度は1年生らしくがむしゃらにやっていました。体重も増えていますし、強みのボールキャリーに最近力強さが出てきたかなと思います。(ライバルチームや世界レベルには)大きい相手がいっぱいいるのですけど、低いプレーを意識、心がけています。」

5月、春季大会・東洋大戦の後半20分にはスピードに乗って走り込んでトライも記録、取り組んでいる形が結果に出たと頷きながら、個人としては課題の方が多いと話します。

「(トライは)ボールの貰い方というか、最近アングルを意識してやっていてその成果が出たと思います。個人のゲームテーマとしては接点の激しさ、ワークレートの高さを意識したのですけど、最後の方バテてしまったので、フィットネス強化もしていきたいです。」

一方で、高校時代に全国制覇、多くの大舞台を経験している野中健吾選手はU20日本代表入りにも落ち着いた口調で話します。

「(ワセダ、U20日本代表)それぞれのチームに順応できるように。自分が自分が…となるのではなくて、それぞれでチームの事を優先して、その中で自分の色を少しずつ出していけたら。個人としては一貫性を持つ事、やる事は変わりません。」

特に意識しているのは高いレベルでの安定感。

「プレーの波がないというところを意識しています。ミスが起きてしまった後は、仕方ないと切り替えて…浮き沈みのないようにと。」

6月、招待試合・慶応義塾大戦ではゲインラインバトルを個人テーマに設定、試合後の自己採点は厳しめに振り返ります。

「良い点をつけたら成長はないので、今日は60〜70点の出来…もう少し前に出たかったです。アタックプレッシャー、ディフェンスのゲインラインバトルと常に高みを目指していきたい。」

高校の後輩・松沼寛治選手が後を追って入学、U20日本代表でも1学年下の矢崎由高選手がメンバー入りするなど後輩からも良い刺激をもらいます。

「僕も負けられない…下が出来たということで自分も今まで通りじゃダメ、成長していかないといけないと感じています。」

ともにFW、BKのキーマンとして期待が集まる2年目のシーズン、意識するプレーについて口を揃えます。

「自分で行くプレーしか出来ていないので、視野を広くまわりを生かすプレーをできたらと思います。」(栗田文介選手)
「スペースを見る力が前よりあがったと思います。プレーの余裕というものは1年生の頃よりは出ているかなと思います。」(野中健吾選手)

世界の舞台を経験し、より一層視野の広がった2年生コンビがその経験値をワセダに還元します。【鳥越裕貴】


揃ってU20日本代表に選出された野中健吾選手(左)と栗田文介選手(右)

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