初陣

9月10日対抗戦開幕、熊谷で行われた立教大戦。背番号15で対抗戦初アカクロを果たしたのが1年生・矢崎由高選手。

「初戦というのがシーズンの中でもっとも大事。良いシーズンに入るためには良い初戦という思いがあって、いいラグビーをしよう、やってきたことを全部出そうと思って臨みました。」

前半から立教大が仕掛けてくるハイパント攻撃に対して冷静に対処。鋭いカウンターアタックで会場を再三沸かせます。ハイライトは前半36分、相手ハイパントを自陣22メートル内でフェアキャッチ、そこからクイックスタートで仕掛けて抜け出ると後方に控えていた立教BKの頭上を越すキック、自らそのボールを拾って独走トライとスーパープレーを見せます。

「立教さんがハイパントが多いというのは試合に入る前から分かっていたので、そこでプレッシャーが来るのはわかっていました。その分、タップキックから前が空いているというのはあらかじめ予想出来ていたので、その準備していたことを出せたかなと思います。一つの判断の速さが結果につながったかなと思います。」

プレー以外の局面でも積極的に声を出して、既にチームの主力選手としての風格も。

「ワセダのアカクロを着る以上は1年だから、プレーを疎かにしていいということはないので、グラウンドに立つ以上、一つでも多くのゲインだったり、ボールキャリーだったりチームが勢いに乗るプレーをしないといけないと頭においてプレーしました。」

活躍が認められてこの試合のプレイヤー・オブ・ザ・マッチも獲得。

「矢崎に関してはバックスリーの中での爆発力を期待していて、そういう意味では彼が前半流れを持ち直してくれたところがありました。」(大田尾竜彦監督)

指揮官も立教の勢いに押されがちだった序盤に見せたパフォーマンスを評価する一方で更なる高いレベルでのプレーを求めます。

「大方これくらいやるだろうなという感じのプレー。まだまだ雑なプレー、最後の球際のところだったり、その辺は成長していかないといけないかなと思います。」(大田尾竜彦監督)

矢崎選手自身も課題認識、独走トライのシーンの中にもまだまだ改善点があると話します。

「要らないプレーが前半にありました。相手がペナルティしてタップキックでいった後に相手にボールを蹴られてピンチになったり、前半の最初の方に僕が自陣からノータッチしてしまったり。試合の入りなのでしっかり切らないといけない場面です。トライシーンも蹴った後に結果的に追いつかれた。U20で同じことをしたらトライを取り切れない。あとは相手にタックルされて一発で倒れてしまって、仲間が来るまで待ってられない場面とか…。」

チームレビューとは別に、自身のプレーを試合毎に良かったところ、悪かったところをビデオで見直すのは日課となっていると話す矢崎選手。

「しっかり振り返りながら出来なかったことを出来るように練習を積み重ねていきたいです。(大学レベルでも)自分のボールキャリーのところは通用する部分はあると思うのですけど、最後取り切るところ、フィニッシュの最後のラストパス、最後の一つの判断…まだまだ欠けている部分があると思うので、今シーズンの課題としてやっていこうと思っています。そこはまだ成長していきたいです。」

春先はU20日本代表、夏場は帝京大など強豪校と対戦して課題も実感。初陣の感傷に浸ることなく、次世代エースは高いレベルを追い求めて日々の練習に取り組みます。【鳥越裕貴】



試合後、同じく対抗戦デビューを果たした同級生松沼寛治選手(左)と矢崎由高選手。試合途中からトレードマークとなりつつある桐蔭学園のヘッドキャップを外してプレー。「ビックリするくらい暑くて。熊谷ちょっと暑すぎて…。」

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