意識

10月1日、栃木・足利で行われた成蹊大戦。マン・オブ・ザ・マッチに輝いたのは4トライを記録したルーキーNO.8松沼寛治選手。
チームとして1週間の準備を通じてやってきた1人目のキャリア、2人目のブレイクダウンのサポートの部分が出来たと振り返ります。

「入りの部分でミスとか、乗りたいっていう時のミスが目立って、ちょっと苦しい…膠着する時間もあったのですけど、要所要所でキャリアが前に出て、ミスが起こっていても何とかいいアタックができたかなと思います。個人としてもキャリアのところはしっかり前に出られた。8番としてやらなきゃいけないペネトレイトの部分ができたかなという印象はあります。」

4トライを振り返って自身のお気に入りは前半19分のトライ。

「(LO)細川大斗さんが抜けてサポートでもらったトライはしっかり継続してアタックできて、最後に決め切れた。チームで繋いだボールをしっかり最後トライに繋げられたというのは非常によかったと思います。」

対抗戦開幕からスタメンに定着、順風満帆なルーキーイヤーに見えつつも、松沼選手自身は春シーズンにアカクロを着れなかった事が悔しかったと振り返ります。

「春から一試合出られたらいいな…という思いはあったのですけど、ケガとか重なってしまって出られなかった。(矢崎)由高は春から出ているのに自分は出られていない悔しさもありましたし、高校同期の筑波の増山とかも(4月の)セブンズから出ていたので、自分も出たいという焦りもありました。」

春に出られなかった悔しさを力に変え、夏合宿を強い気持ちで迎えます。

「夏合宿でしっかり自分の持ち味をアピールして、対抗戦一発目から出たいという強い気持ちがありました。(合宿の)一試合だけで見せるというのでは間に合わないと思ったので、イッコイッコの練習から常に誰よりも高い意識でやろうと思っていて、その成果を試合で出すというのを意識してやっていました。」

夏の期間を通じて日々の練習に真剣に向き合い、その成果を実戦で示すと9月、対抗戦開幕戦で目標にしていたアカクロデビュー、大田尾竜彦監督から「調整能力の高い選手」と好評価を受けます。

「自分として高いレベルで出来ているかわからないですけど、いろんなプレーができ、FWですけれどもパスとかは得意としていて、まんべんなくいろんなプレーができるというのは一つの武器だと思っています。(チームの)穴を埋めたりとか、誰かができていないところを自分がプラスしてやるというようなプレーは結構高校の時ぐらいから意識してやっています。」

そして東海大大阪仰星中学、高校時代に受けた指導が生きていると続けます。

「高校時代はずっともう、基礎、基本の徹底、徹底。FWだからFWらしいプレーばっかりやるんじゃなくて、FWでもBKでも関係なくすべてのプレーを高いレベルで出来るという練習を毎日してたので、その仰星での3年間、中学をあわせて6年間がすごい今生きていると思います。」

対抗戦で不動のNO.8として活躍を続ける中で「だいぶ慣れてのびのびプレーができていると思います」と話しつつも、マン・オブ・ザ・マッチに輝いた試合後のインタビューでは「まだまだ甘い部分がある」と課題についても言及します。

「オフ・ザ・ボールのサポートとか速いセットとかディフェンスもそうなんですけど、ワークレートの部分がちょっと…。80分を通した運動量というのがまだまだなので、そこを今後に向けてやりたいです。もっともっとボールに絡みにいく…チームにプラスになる仕事を探し続けるというのが必要で、それをするにはやっぱり、もっとフィットネスもいると思いますし、もっとゲームの中でプレーに関わる時間を増やしていきたいと思います。」

春の試合出場を逃した悔しさをバネに夏合宿で意識高く努力し続けた事で一気にアカクロに欠かせない戦力へ。向上心を忘れず、挑戦し続けることで、更なる飛躍を目指します。
【鳥越裕貴】



松沼寛治選手。フィジカルの強い上位校の対戦に向けて「強度が上がってくる相手にどれだけ自分が前に出られるかが大事だと思うので、フィジカルの強化をもっともっとしていきたいですし、(今は)フィジカルで劣る分、ずらすプレーとか頭を使って相手の前に出られるようにやっていきたいです。」

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