仲間

10月14日、埼玉・三郷で行われた対抗戦・青山学院大戦。桐蔭学園時代にポジションを争った青山学院大・亀井選手との「9番対決」を終えてSH島本陽太選手が笑顔で試合を振り返ります。

「これまで僕もスタメンで出ていなかったですけど、亀井もスタメンで出られてなくて…。お互い初のスタートで、試合前からすごいワクワクしていました。」

高校1年生時に知り合い、それ以来のライバル関係。当時から互いの良さを認めつつ、しのぎを削っていた同級生のことを懐かしそうに話します。

「ちょっとタイプが違うスクラムハーフだったのですけどお互いライバル視していました。僕は基本的に仲間を使う、早いテンポで仲間を生かしてというタイプ。亀井は自分で仕掛けて、状況打破するタイプでした。」

この日のベストプレーを尋ねると前半、敵陣ゴール前スクラムで亀井選手にプレッシャーをかけてタックルで潰したシーンを迷いなくあげます。

「『やめてくれよ』と言われました(笑)。逆に僕がプレッシャーを亀井に受けてミスしてしまったり…という場面もありましたが、そういうバチバチも含めてすごい楽しかったです。」

昨年までのレギュラーSH宮尾昌典選手が春の帝京大戦で負傷し、戦線離脱。以降、AチームのSHとして出場を続ける島本陽太選手はアカクロの背番号9を背負う責任を口にします。

「本当にいきなり来たチャンスなので、(細矢)聖樹とのポジション争いもありますけど、自分が9番を誰にも取られたくないという思いが一番。その中でやっぱりいつもと違うプレッシャーを当然受けていて、今まで以上のパフォーマンスを出さなきゃいけないというのを常に練習から自分にプレッシャーをかけています。」

自身がテーマ設定する事を練習前にホワイトボードに書き入れる事が今年は習慣化され、島本選手はこのところ「アイタッチ」という言葉を書き入れて目の前のスペースを見る意識を高めます。

「自分は仲間を生かすプレースタイルが故に、前をなかなか見れないのが課題です。(最近は)首振りというのをやっていて、前のスペースを見て、自分が行けるなら行く…そういうところを見られるようにとやっています。」

この日もペナルティから前のスペースを見極めてクイックスタート、練習での取り組みが成果となりつつあります。50:22に繋がる好タッチキックも見せるなど活躍もまだまだ求められている事が出来ていないと課題を口にします。

「キックを上手く使って攻める事も大事ですが、自分たちのプレースタイル、チームスタイルはボールを継続して相手を崩していくところだったのですが、少し相手に合わせてしまった感じがあります。結構ディフェンスのプレッシャーを感じていたので、受けてしまった。その中でテンポを早くすることができなかったのが課題です。」

最上級生でようやく掴んだレギュラーの座、対抗戦後半戦を迎えるにあたって最上級生として残された時間で同期の仲間たちとの完全燃焼を誓います。

「細川大斗とかも去年まで出られていない中でアカクロを掴んだ熱い男、同期の存在は力になります。対抗戦を終えたら、その後はいつ終わるか分からない。一日一日を大切に日々レベルアップしていかないといけない気持ちです。」

高校時代から縁がある亀井選手との対戦を通じて、改めて自分の強みを再認識。早いテンポで仲間を生かす島本陽太選手のパスワークに注目です。【鳥越裕貴】



試合後、青山学院大・亀井選手と写真に収まる島本陽太選手(右)。青山学院大・12番桑田選手も桐蔭学園時代の同級生。試合中、スクラムで横に並ぶ亀井選手に「『あいつ(桑田選手)くるんじゃない?』と聞いたら、『そうだよ、そうだよ(笑)』と。楽しかったです。」

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